ライフワークをギャングスタ系MCと自称するその友人はしょっちゅうマリファナの匂いをぷんぷんとさせながら授業やサークルに出てくるのだが、僕が注意すると彼は「いやー、多分、ばれないよ。どうせ誰もクサの匂いなんか知らないし、うん」と屈託の無い笑顔で笑うのだ。そんな無垢な顔してギャングスタラップが出来るのかと問いたい所だけれど、僕はギャングスタラップになんて興味も無いし、彼のステージを見たことも無いので、実際の所彼がどれくらいスキルのあるMCなのかは知らなかった。
DJブースのある中規模のバーで開かれた彼の誕生日パーティで僕は初めて彼のライミングを耳にすることになった。その声は叙情的で、リリックは詩的で、フロウは情緒的で、DJが流すトラックはPete Rockなどジャジーなものが多く、どこにもギャングスタな香りは無かった。まるで詩的で上品なフランス文学を読んでいるみたいなステージだった。それが終わった後僕は彼に駆け寄り、とても良いステージだった、今後は君のステージは欠かさずに見に行くことにする、それにしてもどの辺がギャングスタ的だったんだろう、と聞いた。彼は、ゲストで来ていたステージ上のMCと今までレコードを回していたDJを拳銃で撃ち抜いて、この辺がだよ、と微笑しながら言った。
コメント (2)
この文章すごくいいっすね。
ねぎぽさん変態作家になれますよ。
投稿者: ひろゆき | 2006年01月12日 21:22
ありがとありがと:D:D:D:D:D:D
投稿者: negipo | 2006年01月13日 23:30