近所に住むトモエさん7歳と公園で遊んでいました。時間は午後5時で、季節は冬です。真っ暗になった公園の中、煌煌と周囲を照らす一本だけの街灯の下に缶を置いて、缶蹴りをしていたのです。二人きりで缶蹴りをすると言うのは、いささか不思議な気分ではありますが、やってみるとこれがなかなか楽しい。僕とトモエさんは汗だくになりながら、延々と缶を蹴り続けていました。
僕が缶を蹴り飛ばして「かちー」と言うと、トモエさんは僕の向こうずねを蹴り飛ばしてこう言いました。
「もうやめやめ!全然勝てないんだもの!」
「わかりました、だけれど、やっぱりもう一回やりましょう。次で僕に勝ったら、トモエさんに良いものをあげますよ」
「なあに?良いものって」
僕はその問いに答えずに、身を隠すべく公衆便所の方に向かって走りました。トモエさんはしばらくぶつぶつ言っていましたが、やがて缶を拾って来て、街灯の下に置きました。そして十数えました。
「いーち、にーい、さーん、よん、ごー、ろーく、しーち、はーち、きゅー、じゅー」
数え終わった瞬間に缶が爆発して、トモエさんは沢山の肉片となりました。僕は散らばった臓物の隙間に挟まった缶の欠片を蹴り飛ばして「かちー」と言った。