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メルヘンと非現実について

「結局の所、ねぎぽさんには現実感が無いんですよ」
と、彼女は言った。いささか唐突だったが、要するに先ほどまで討論されていた"僕には何が足りないのか"と言うテーマに対する彼女なりの結論が、僕の現実への把握力におけるリアリティの欠如であると言うことだった。僕は「なるほど」と気の無さそうにつぶやいて、それ以上誰かがこのテーマに対する所見を述べようとするのを封じようとした。
別に現実の把握なんてどうでもいいじゃないか、ふん。と僕は思う。空から金、ベッドに女だ。それが僕にとっての現実であり、そのようなメルヘン的な世界に生きることは非常に楽しい、みんなメルヘンの国に来れば良い、と真剣に思っているのだ。僕はあくまで現実世界の上に薄く覆い被さったメルヘンと言う薄布を通して、それを把握しているのだ。決して非現実世界に捕われて帰って来れない訳じゃない。決して僕の周りを薄布が覆っている訳じゃない。ただ世の中を楽しく生きようとしているだけだ。そうだ。
僕はそのように自分の現状について意味無く考え込んでいたが、いつの間にか現れた巨大な鰐の顎に左腕を砕かれて、「非現実だ」と呟いた。

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