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否認

京都の中心街でパスタを啜りながら、久しぶりに会う女の子と話をしていた。ひとしきり結婚観や友人たちの動向と言ったような、この年代の男女が話す平均的な話題を語り尽くすと、待ち合わせをした時の緊張が薄れて親密な空気が漂い始めた。
二人で白ワインのデキャンタを飲み干して一息ついていると、彼女は唐突に「ねぎしくんて、避妊とかしなさそうだよね」と言った。
避妊?
一体全体何故今頃になって、避妊の話なんかしなければならなくなったんだろう。僕はそんな事無いよ、と型通りの否定をして、にこにこと水を飲んだ。その晩にしたセックスでは避妊をしなかった。翌朝になって一人起きてシャワーを浴びながら、避妊をしないセックスをした後特有のざわざわとした胸騒ぎと戦った。こう言う時に女の子はどう思っているんだろう。やはり、ざわざわとした不安を打ち消そうと、にこにことするのだろうか。そしてやっぱり誰かに避妊に関する話題を出すのだろうか。僕も誰かに避妊に関する話題を出すべきだろうか。そんなことを考えながら必死に安物のソープで身体を洗うのだが、どれだけ洗っても自分自身の精子の臭いが取れない。ごしごしと、何時間も身体をこすっているうちに、僕は摩耗してすっかり消えてなくなってしまった。

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