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くらげ

僕はくらげのことが好きだ。
くらげは、沢山の兄弟と共に産まれる。ふわふわと頼りなく海や時には水槽の中を力なく漂い、口の近くにやってきた餌を漉して食べる。彼らの人生には目的なんてものはほとんど無い。やがてくらげは子供を産み、死に、陸に打ち上げられて乾いたり、水に溶けたりして消えてなくなる。後には何も残らない。くらげが死んだとき、そこには死と言うほどのものはない。あるものが死んだとき、そこにはかつてあったそのものの生に連続するものが存在する。しかし、くらげに限っては"生に連続するもの"なんて存在しないからだ。そもそもくらげの生と言うものがほとんど無なのだ。彼らの生そのものが空虚で、周囲と連続していて、そこにあるかのようにそこになく、そこにないかのようにそこにある。つまり空気のようなものだ。
くらげになりたい。くらげになって静かに死にたい。
だけど結局、僕が死ぬと死体が残る。だから頑張っている。

(based on くらげ / complex pool)

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